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三宮のジャズ喫茶「さりげなく」

三宮のジャズ喫茶「さりげなく」
院長の岩崎です。またまた55年前ごろの昔の話です。当時私は浪人生で予備校に通っていましたが午前中は予備校にもあまり行かず三宮に繁く足を運んでおりました。
阪急三宮西口を北長狭通(現在のサンキタ通り)沿いにさらに西に向かうとトアロードにさしかかります。トアロードを渡ってしまうと、当時「ワシリ」というロシア料理の店があったのですがもうなくなってしまいました。トアロードを渡る手前に小さな階段があり、トントンと降りるとかすかに音楽が聞こえてきます。ドアを開けるとアニタ・オディのハスキーな声でス・ワンダフルが洪水のごとく聞こえてまいります。この空間に一歩踏み入れると、ジャズ喫茶「さりげなく」でした。当時私は「さりげなく」に毎日のように出没していましたが、マスターとはそんなに多くは話をしなかったようです。マスターは関学出身の当時30歳前後(に見えました)のとても優しい感じの方でした。「前掛け」の紐を腰で結んでいたのが格好よく印象深かったです。マスターとはもっと話をしたかったと後悔しています。私はオーディオマニアではないので詳しくはしりませんが、アンプはマッキントッシュかマランツを、スピーカーはJBLをお使いだったと思います。カウンターに座ると膨大な枚数のLPレコードが正面に収められていたのが目に浮かびます。「さりげなく」で聞いた心に残っている曲は、アルバム「Anita Sings the Most」中のテンダリーとか、ジョン・ルイスのピアノとビル・パーキンスのテナー、ジム・ホールのギターが心地よく特にチコ・ハミルトンのドラムスが最高の「Two Degrees East Three Degrees West」です。マスターの好みなのかと感じていました。同時期に芦屋市立精道中学校で1年先輩の、あの村上春樹さんも「さりげなく」に通ってらっしゃとの噂ですが、残念ながら当時の私にはもし隣に座っていたとしても全く記憶がありません。「さりげなく」はマスターも変わり今も三宮の別の場所にあるとのことです。ぜひお伺いしてみたいものです。ジャズの思い出についてはまた記したいと考えています。

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